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頭痛

子どもから大人まで、頭痛はよくある症状です。急性頭痛、慢性頭痛、痛みの質もさまざまです。放置していると重篤な状態になる頭痛もあります。頭痛について説明していきます。

頭痛の分類

  • 一次性頭痛:原因となる疾患がない頭痛
  • 二次性頭痛:原因となる疾患がある頭痛

頭痛の機序

脳実質には痛覚がないとされていますが、頭蓋内の血管、神経には痛覚受容器があり、圧迫、炎症などの刺激が加わると頭痛が起こります。また、頭部の血管、神経が刺激されたり、頭頚部の筋肉が収縮すると頭痛が起こります。

検査

問診が非常に重要な役割を持ちます。頭痛の場所、痛みの質、急性か慢性か、他の随伴症状など伺うことで疾患を推定していきます。また必要に応じて、頭部CT、頭部MRIを行います。

一次性頭痛

片頭痛(偏頭痛)
頭蓋内の血管の拡張や三叉神経への刺激が原因と考えられていますがはっきりとは分かっていません。特徴として前兆や予兆があり、引き金となる要因があります。頭痛は3,4日続くことがあり日常生活が困難になります。嘔気や嘔吐を伴うことがあります。両親が頭痛持ちのことがい多いです。
緊張型頭痛
頭や首の周辺の筋肉が緊張することで頭痛が発症すると考えられています。特徴として強い痛みではなく締め付けられる痛みがだらだらと持続する痛みです。嘔気、嘔吐を伴うことがあまりありません。日常生活を続けることができます。
群発頭痛
若い男性に多く見られ比較的まれな頭痛です。特徴として片側の目の奥に激しい痛みが起こります。発作が起こると1、2か月も持続することがあります。流涙、眼の充血、鼻汁、鼻閉を伴います。
慢性連日性頭痛
1日に4時間以上、1カ月に15日以上、3か月以上持続する頭痛とされています。だらだらと続く頭痛です。頭痛の強さはさまざまですが日常生活に支障を及ぼします。薬が効きにくい頭痛です。子どもにとっては学校に行けなくなってしまうことがあります。

二次性頭痛

髄膜炎
脳を覆う髄膜に細菌、ウィルス、真菌などのばい菌が侵入し炎症を起こす病気です。発熱、頭痛、嘔気嘔吐、意識障害、けいれんなどを起こします。特に細菌性髄膜炎は命にかかわることがあるため早急に対応しなければなりません。
脳炎・脳症
脳炎は脳実質にばい菌による炎症が起こり脳が腫れてしまい、意識障害、頭痛、発熱、嘔気嘔吐、けいれんなどが起こります。脳症の場合は炎症所見がなく脳の腫れなどで機能障害が起こり上記のような症状が起こります。区別することは困難です。生命の危険性が非常に高く入院にて専門治療が必要となります。
脳腫瘍
脳にできる腫瘍です。良性、悪性があります。予後は腫瘍の組織によりさまざまです。頭痛、嘔気嘔吐、視野障害などを起こします。
脳出血
脳内、くも膜下腔、硬膜内外に出血を起こします。激しい頭痛、意識障害、けいれん、嘔気嘔吐などを起こします。生命の危険性が非常に高い疾患です。児童虐待でもよく見られる病気です。
起立性調節障害
起立時にめまい、ふらつき、気分不良、頭痛などが起こります。自律神経障害とされており、心理精神的要因、社会的要因、環境的要因が複雑に関与しています。思春期の子どもに多く、平日の朝に起きれない、長期休暇後に学校に行けないなど子の疾患が関与していることが多いです。